みなさんこんにちは
最近は技師にも診療放射線技師免許の他に様々な資格認定が取得できるようになってきました。各種専門の団体が試験を実施して、合格基準を満たした受験者に対して資格を認定するという流れですが、その試験の受験資格は各団体でバラバラで、いざ試験を受けようを思ったら、え!?どこかの学会に入会してから3年経たないと受けられないの?といったこともよくあります。
先輩が『今は試験を受ける気がなくても、学会は入っとけ』といってたなぁ。
あのとき入っとけばよかった…なんてこともよく聞きます。
そこで、今回は診療放射線技師にとって主要な資格認定の受験資格をまとめましたので、比較してみましょう。
本記事は2021年9月1日現在の情報を掲載しています。詳しい内容や最新の情報は、必ず各団体のホームページで確認してください。
目次
X線CT専門技師
受験資格
(1)X線CT認定技師講習会(本機構主催)またはX線CT認定技師指定講習会(機構が認定した指定講習会)の受講 ※1
(2)診療放射線技師の免許を有し、診療業務経験5年以上 ※2
(3)X線CT臨床実務経験3年以上 ※3
※1講習会受講の有効期限は3年となります。今年度に受講した方は、次々年度までに開催されるX線CT認定技師認定試験の受験をすることができます。但し、産休・育休や病気療養(入院)などで3年のうちに受験ができない場合は別途対応いたします。
※2診療業務経験5年以上とは満5年をさします。書類の提出日からさかのぼって満5年となりますのでご注意ください。複数施設から証明が必要な場合には、Q&Aをご参照ください。
※3X線CT臨床実務経験3年とは、満3年をさします。書類の提出日からさかのぼって満3年となりますのでご注意ください。複数施設から証明が必要な場合には、Q&Aをご参照ください。また、X線CT臨床実務はX線CT専属でなくても、交代業務や夜勤業務などで通算3年以上あれば認めます。
磁気共鳴(MR)専門技術者
受験資格
(1)構成団体への在籍:申請時に構成7団体のいずれかに在籍して丸2年以上を経過した者。学生会員での在籍期間も含む。
(2)MR操作経験:経験年数については不問
(3)学術成果:MRに関する学術研究発表を3回以上、もしくは学術誌への論文1編以上を有すること。
学術研究発表:JSRTの地方部会またはJARTの地域学術大会以上の学術大会を指す。研究会や県・地方会の技師会での発表は含まない
論文:査読のある学術誌(地方部会や研究会、紀要、院内雑誌、商用雑誌に掲載されたものは含まない)
(4)装置の精度管理:機構が提示した装置の精度管理に関する性能評価ならびに指定の科目の測定結果を提出する。
(5)施設の安全管理:被検者ならびにスタッフのための施設が備えている安全管理マニュアルを提出する。
(6)安全管理講習会の受講
(7)一度受験された方は、上記(3)(4)(5)を免除します。
JARTの会員については、認定機構が別に定める条件を満たせば上記(3)が免除される特例があります。
放射線治療専門放射線技師
受験資格
1. 診療放射線技師の免許を有する者
2. 放射線治療に関する診療業務を通算5年以上おこなっている者
3. 公益社団法人日本放射線腫瘍学会、公益社団法人日本放射線技術学会、公益社団法人日本診療放射線技師会のいずれかに入会して5年を経過した者
4. 申請時より過去5年以内に、別に定める認定単位を20単位以上取得していること. ただし,そのうち10単位以上は,本法人が定める必須単位であること.
5. 放射線治療に関する業績を有することが望ましい
血管診療技師
受験資格
1)日本国における、臨床検査技師・看護師・臨床工学技士・診療放射線技師・理学療法士・准看護師のいずれかの資格を有していること
2)上記資格取得後、下記の実務経験を有していること
臨床検査技師・看護師・臨床工学技士・診療放射線技師・理学療法士:3年以上
准看護師:5年以上
3)血管疾患を専門とする医師のもとで十分な血管疾患診療の経験があること
4)認定講習会を受講したこと(座学および実技)CVTに要求される知識・技術は以下のとおりです。
1)血管疾患(リンパ管を含む)の病態全般に関する基礎知識
2)血管疾患診療に関する専門知識
3)血管疾患診療に関する実技技術
注:CVTの業務のなかで各人の許される業務範囲は、各人が持つ国家資格の範囲を超えるものではないが、要求される知識は、同領域の全範囲を含むものである。
血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師
受験資格
(1) 資格
診療放射線技師の免許を有すること。
(2) 経験年数
通算3年以上の血管撮影に関する診療業務の経験を有すること。
(3) 症例数
過去3年間にインターベンション50症例以上の経験を有すること。
(4) 学術成果
別表1に定める単位数を30単位(ポイント)以上取得していること。
(5) 安全管理および品質管理
安全管理および品質管理に関する測定データを提出すること。
(6) 認定講習会
認定試験前日に開催される認定講習会を受講すること。
救急撮影技師
受験資格
(1)診療放射線技師歴 診療放射線技師免許保持者であり、5年以上の診療経験を有すること。
(2)救急診療の経験 通算3年以上救急診療業務に携わっている者。
(3)学術・研修成果 申請時からさかのぼって5年以内に別に定める認定単位を30単位以上取得している者。
(4)本申請時から過去1年間に一度は、心肺蘇生法講習会を受講していること。ただし申請者の所有する心肺蘇生法講習会受講証が、申請時において有効期間内である場合はこれを免除する。
核医学専門技師
受験資格
◆申請資格
以下のすべての要件を満たさなければなりません。
構成団体への在籍
構成4団体のいずれかに継続して3年以上の会員であり、診療放射線技師免許保持者。核医学検査経験
通算3年以上の核医学検査に関する診療業務に携わっている者。学術成果
申請時からさかのぼって5年以内に別に定める認定単位を300単位以上取得している者。
ただし、5年間に一度は、いずれかの学会あるいは団体の学術大会に出席していること。研修成果
医政発第0601006号(厚生労働省医政局長通知 平成17年6月1日)に掲げられたPETに関する所定の研修を修めた者。
医学物理士
受験資格
(1-1)機構認定の医学物理教育コースに1年以上在籍または修了した者。
(1-2) 理工学系修士以上の学位を有し(取得見込みを含む)、医学物理士認定制度施行細則(以下、「細則」)に定める業績評価点5 単位以上を有する者。
(1-3) 放射線技術系修士以上の学位を有し(取得見込みを含む)、細則に定める業績評価点5 単位以上を有する者。
(1-4) 医学系研究科に設置された医学物理に関する課程の修士以上の学位を有し(取得見込みを含む)、細則に定める業績評価点5 単位以上を有する者。
(1-5) 学歴によらず医学物理の発展に寄与したと特に認められる者。
(2-1) 平成24年度までに理工学系学士の学位を取得し、医学における経験年数3年以上の者。
(2-2) 平成24 年度までに放射線技術系学士の学位を取得し、医学における経験年数2年以上の者。
(2-3) 平成22 年度までに診療放射線技師免許を取得し、医学における経験年数5年以上の者。
(2-4) 平成22 年度までに、医師または歯科医師以外で医学または歯学博士の学位を取得し、医学における経験年数1 年以上の者。
まとめ
今回、各資格認定について受験資格をまとめてみましたが、それぞれ特色があり本当に分かりづらいw。
技師免許取得後の年数や臨床実務経験年数、学会などの団体入会期間、講習会のポイントなどなど…
年数縛りでもっとも厳しい受験資格は、放射線治療専門放射線技師の治療業務5年以上および指定団体所属5年以上が挙げられます。その次に、X線CT専門技師と救急撮影技師がともに診療放射線技師歴5年以上および専門の臨床実務経験3年以上となっています。
上述の先輩が『今は興味がなくても学会にはいっとけ!』といっていたのは、これらの指定団体の所属期間が受験資格になっていることからの発言であるといえます。
年数縛りが比較的ゆるい資格認定が、じゃあ受験し易いかというと、そうでもなくて、磁気共鳴(MR)専門技術者は、MR操作経験は経験年数については不問など、一見間口が広いようにみえて、学術成果を問われたり、精度管理の測定結果の提出など相当経験してないと受験ムリでしょ!というような内容となっています。
上記掲載資格認定の他にもマンモグラフィや超音波検査士など、様々な資格認定がありますので、ご興味がありましたら、以下のページも参考にしてください。
資格認定一覧のページはこちら>>
放射線技師.com