冒頭からなんの話?
論文作成と聞くと身構える方が多いので、もっと気楽に楽しむことができないか?そう考えた末の結論がこれです。学会で研究発表を終えて、さあ、論文でもやってみようかなと思った矢先、論文とは、自分の研究内容や主張を客観的な根拠をあげながら論証しなくてはなりません。十分な論拠をもとにして、主張や証明を行ない、論理的に構成された…なんていわれたら
もう結構です…となってしまうのは当然です。
論文は不特定多数の人が読むことを前提に書きます。読んでくれた人が、内容を理解して、書いた私のことを好き(賛成)になってもらわないと困るわけです。論文の構成や書き方は大体決まっていますが、そこに詰め込むエッセンスの表現の仕方は十人十色。書き手の頭のなかが丸裸になり、その人の思考過程が垣間みえます。
この研究のために身を捧げ、何回も何回も実験を繰り返す。下調べに途方も無くググる。そんな苦労を微塵も感じさせず、スマートに装い惚れさせる。この思いをどうやったら誤解されずにうまく伝えることができるのか。そのために、書いては消して、また書いて。一通り完成したら、全体の構成を見直して、伝わりにくいところはまた書きなおしてを繰り返す。これを伝えるその前には、何を言わなければならないのか。常に読み手のことを考えながら書くという行為。一番伝えたいことを効果的に表現するためには、どのような表現がよくて、何が必要なのか?
そんなことを考える。
アブストラクトは字数制限があるために、ラブレターの難易度はさらにアップ。字数制限100なんてまさに究極。このまどろっこしい表現をもっと短く一言でいえないか。あ、この表現がなくても十分伝わるじゃないか。何をこんなことにこだわっていたんだろう。不必要なものをそぎ落とし、その中で見えてくる新たな発見。あ、これが一番伝えたかったことなんだと改めて気付く愛。これならみんな私のことを好きになってくれるかも。
これ、ラブレターでしょ。
これらの作業が、論理的思考の練習になり、頭のなかが整理され、さらに洗練されていく。
皆さん、ラブレター書きましょう。ただし、この世界の人たちにポエムは通用しません。あしからず。
放射線技師.com
増補改訂版 はじめての英語論文 引ける・使える パターン表現&文例集 価格 |