MRI検査や放射線治療では、ときに呼吸同期による撮像や治療が行われることがあります。

これは1回の息止め時間で診断に必要な範囲を撮像したり、治療したりすることが困難な場合や、息を止めることがそもそも難しい患者さんに対して用いられます。具体的には、患者さんのお腹に呼吸の動きを監視するベルトを装着したり、レーザーを使って腹壁や胸壁の動きをモニターしたり、透視によって臓器の動きを監視することなどによって、撮像装置や治療装置が患者さんの呼吸の動きに合わせて適切なタイミングで撮像や治療を行うものです。

撮像や治療をするときに身体を動かさないことはもちろん大切なことですが、常に一定のリズムで『息を吸って息を吐く』という呼吸の基本動作を繰り返しながら、できるだけ呼吸量を変えずに自然に呼吸することが理想になります。大きく吸って大きく吐く必要はありません。優しく自然な呼吸を心がけましょう。

本アプリでは、息を吸うタイミングと吐くタイミングの合図がでますので、一定のリズムで『息を吸って息を吐く』という動作を体感することができます。
実際の検査や治療では、施設によっては自然に呼吸して頂くことを最優先に考え、合図がないこともあります。

呼吸同期の使い方

放射線検査の息止め体感アプリ『ブレホ』の呼吸同期検査について、

下図のように枕を頭の下に敷き、iphone本体をお腹のへその辺りに置いてください。そして、iphoneの画面がみえるように枕の位置を調整してください。
スタートボタンを押すと呼吸の合図が始まり、呼吸同期のグラフ画面が表示されます。
iphone本体のモーションセンサーが呼吸の動きを検知して、呼吸の波形をリアルタイムにグラフ化します。

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呼吸同期検査は、スタートボタンを押してから2分経過すると自動で検査が終了します。

リアルタイムのグラフの見方

呼吸同期検査では、下図のようにあなたの呼吸量に合わせてグラフの波形が画面に表示されます。
そして、およそ25秒経過すると、あなたの呼吸量に最適なスケーリングを行い、それと同時に呼吸量の上限と下限の基準線が表示されます。
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呼吸量を上限の基準線に合わせることができると、チャイムが鳴って得点が加算されます。
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同じく呼吸量を下限の基準線に合わせると、チャイムが鳴って得点が加算されます。
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一般的なMRI検査では、息を吐いているときに呼吸量が一定となるタイミングで撮像します。
上図のグラフでは、呼吸の波形が基準線に重なっているところが撮像の最適なタイミングになります。

*本アプリで体感できる検査は、検査の一例に過ぎませんので、呼吸同期の方法は施設によって異なっていることがあることをご承知おきください。

 

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