パワハラ、モラハラ、セクハラ…
昔から職場では、人間関係の問題はありましたが、90年代のリストラ不況からハラスメントというものが取り上げられ、少しずつ問題になり始めました。
現在では、複雑な雇用形態から職場内でのハラスメント行為が蔓延、職場の雰囲気は悪く、上司と部下の信頼関係は失われ、果ては訴訟、もはやパワハラは私とは無関係といっていられない状況です。
パワハラは、何も特別な人が起こす特殊なものでもないし、個人的な問題でもなく、会社(病院)全体として取り組んでいくべき問題。
日常パワハラ行為について注意を払って指導していても「これってパワハラ?」と不安になってしまうこともあるのではないでしょうか?
パワハラについて不安になるのはパワハラのことを知らないから、
そういえば部下を名前で呼ぶときの〇〇くんの”くん”もNGワードなんていってたなぁ〜
今回はパワハラの知っておくべきポイントをまとめてお伝えします。
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パワハラとは
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
実は病院で働く人たちは、診療放射線技師、医師、看護師、薬剤師などなど…専門家、技術者の集まりです。常に高度なスキルを求められる職場は、パワハラに陥りやすい環境であるといえます。
パワハラの境界
パワハラの判断が難しいと感じる原因は、同じことをいっても人によってパワハラになったりならなかったり、相手によって受け止め方が違うということが挙げられます。
人は、尊敬する上司から叱責されても納得できますが、尊敬できない人からいわれれば不満に感じるものです。
パワハラの相手の受け止め方のベースにあるものは、人間関係、とりわけ人と人との信頼関係です。したがって、相手次第で変わるパワハラの境界が分かり難いのは当然といえば当然です。
冒頭で挙げたパワハラの定義ですが、この文章の中にパワハラを理解する上で大切なポイントとなることが書かれています。
業務の適正な範囲とは
パワハラの定義の中に『業務の適正な範囲』という言葉がでてきます。
これは、業務の適正な範囲であれば教育的指導としてパワハラにはならず。逆にその行為が業務の適正な範囲でなければ、パワハラに該当するということです。
パワハラの境界を知るためには、あなたの職場で何が適正で、何が適正でないのかを明らかにする必要があります。
つまり、日常において遭遇する様々な問題に良し悪しをつける取り組みが大切だということです。
パワハラは相手次第で受け止め方が変わるのに、どうやって良し悪しをつけることができるのか?
それこそ昔は、
『こんなこともわからないのか!』とか、『こんなこともできないのか!』
なんて怒鳴り声が飛び交っていた時代もありました。
パワハラの6類型
パワハラであるかどうか判断することは難しいといわれていますが、典型的なものは以下の6類型に分類できます。
1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
2)精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
上述の分類がパワハラであるということを会社(病院)全体で共通して認識することが大切です。
そして、問題が6類型に該当しないからといってパワハラではないとはいえません。
会社(病院)としての取り組み
パワハラ問題は個別の事案を解決することも重要ですが、個別対応だけではパワハラはなかなか減りません。
そもそものパワハラを抑止する上で大切なことは、会社全体での取り組み、すなわち啓蒙活動が重要であるといわれています。
スタッフの意識改革を促すために効果的なポスターの掲示。アンケート調査によるパワハラヒアリング。これは、早期に発見すれば、職場の修復も早いことから実施されています。
パワハラを受けたり発見したら
厚生労働省では、パワハラについて悩んでいる人、管理職、人事担当者用にそれぞれ対応の仕方や取り組み方を動画やイラストを用いて詳しく学習することができるサイトを委託運営しています。また、同サイトでは、パワハラの判例や他の企業のパワハラへの取り組みを紹介していますので、大変参考になります。
さらに以下のサイトも参考になります。
・部下からパワハラ被害の相談を受けた上司が知るべき5つの対応方法(外部リンク)
・これってパワハラ??正当な業務指導??パワハラと注意指導の区別(外部リンク)
放射線技師.com