平成29年4月14日に放射線障害防止法の改正が公布されました。
この法律の改正は我々診療放射線技師にとって、まさに青天の霹靂、メガトン級の爆弾が投下された出来事でした。ちょっと大げさか?ww
なんせ今までは、いわれたとーおりにやっていればよかったものが、突然自分で考えろと突き放されたもんですからたまったものではありません。
説明会にでてみたものの、いろんなことを矢継ぎ早にいわれて、いったいどの項目が自分の施設に該当するのかよーわからん。
来年の夏までに規程書を作って提出しろといわれても、今あるものをアレンジするだけでいいのだろうか…
戸惑い、右往左往している方へ、今回の法改正の資料をまとめてみましたので、理解の一助になれば幸いです。
本記事は2018年6月3日に投稿されました。内容の正確性等については、必ず最新の情報を確認してください。
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公布と施行ってなに?
そもそも法律のことをまったく知らない人のために、法律用語の公布と施行の違いについてお話します。
「公布」は、成立した法律を一般に周知させる目的で、国民が知ることのできる状態に置くことをいい、法律が現実に発効し、作用するためには、それが公布されることが必要です。
なお、法律の効力が一般的、現実的に発動し、作用することになることを「施行」といい、公布された法律がいつから施行されるかについては、通常、その法律の附則で定められています。
つまり、もっと簡単にいってしまうと、
公布:こんな法律ができたので、みてくださいとお知らせを始める日
施行:お知らせした法律を実際に運用開始する日
ということになります。
そして、一般的に法律の公布と同時に施行ということはなく、公布後一定期間経過してから施行されます。
放射性同位元素等規制法とは
放射性同位元素等規制法は、放射性同位元素や放射線発生装置の使用及び放射性同位元素によって汚染されたものの廃棄などを規制することによって、放射線障害を防止し、公共の安全を確保することを目的に制定された法律です。
放射線障害防止法の改正スケジュール
さて、放射線障害防止法改正スケジュールですが、公布後1年以内又は3年以内に施行(2段階施行)となっています。
1年以内に施行されるもの
・報告義務の強化
・廃棄に係る特例
・試験、講習等の課目の規則委任3年以内に施行されるもの
・法律名の変更及び法目的の追加強化
・防護措置(セキュリティ対策)の強化
・事業者責務の取り入れ
今後のスケジュール表が説明会(法改正のポイントー何を、いつまでに?ー)のスライド9ページ目に載っていますので、参考にしてください。
スケジュール表の項目について、リニアック、ガンマナイフ、リモートアフターローディングなどを使用している方に関係するスケジュールをまとめると、第一段階公布の中の
・事故報告
・教育訓練
・業務改善
・危険時の措置の情報提供
・予防規程
の項目がわれわれに該当し、平成30年4月1日に施行、新法令に沿った予防規程変更届を平成31年8月30日までに提出しなければなりません。
予防規程の作成
今回の法改正でもっっとも大変なことは、そう、予防規程の作成ですよね。防護措置も大変そうで気になるのもわかりますが、まずは予防規程から。
さて、われわれは予防規定を作らなくてはなりませんが、今回は今までとは違って、各施設の現状に沿った内容に仕立てなければなりません。
今までは、雛形があってそれをアレンジすれば良かったのですが、それでは結局現状にあっていない使い物にならない規程書が量産されているだけで、実際に事故や問題が起こったときに報告はしないし、書類はなくすしで、まったく機能していないという実態からこのような内容になったと考えられますw。
規程書の作成は、何も資料がない状態ではとても難しく、時間がかかる作業。
作るったって、この法律そのものを理解するところから始めないとどうしようもない。
やらなければならない仕事が増えて残業必至。最悪…
とお嘆きのあなた、
確かに、今回の法改正を部内の人たちだけで消化し、黙々と規程書を作成、ひっそりと届け出ていたのでは仕事だけが増えて最悪です。
でも、今回はお役所が放射線の管理運営(業務改善)に経営陣をもっと参加させろといっているのです!
病院内で放射線部門の立場が強いところはそんなにないと思います。
今回の法改正は、放射線は使い方を間違えば大変危険なものであって、厳重に管理運営されて初めて安全に使うことができるものであるということ、そして、それを実務として円滑に運営しているのはわれわれ技師であることを経営陣にアピールする絶好のチャンスでもあるということです!
このチャンスを活かして、院内の放射線障害防止の現状の実務を担っているのは技師であることを明確にし、予防規程に技師を責任のある立場に据えることによって、病院の運営に欠かせない存在であることを経営陣に訴えていきましょう!
参考資料
予防規程の作成には、以下の原子力規制委員会からでている”放射線障害予防規定に定めるべき事項に関するガイド”が参考になります。
・放射線障害予防規定に定めるべき事項に関するガイド(原子力規制委員会)
・放射線障害予防規程に定めるべき事項に関するガイド(放射線障害の防止に関する法令改正の説明会)
また、予防規程の作成にあたり、原子力規制委員会のホームページの規制の現状(参考)に順次最新の資料がアップされていますので、こちらも参考にしてください。
・原子力規制委員会ホームページ
・放射線障害防止法見直しに関する各種公表資料
・立ち入り検査結果を踏まえた放射線安全のポイント
・法改正のポイントー何を、いつまでに?ー
法改正の注意点
法律名称の変更について
第4条施行時はまだ名称変更されていません。改正法案第5条施行時に法律名が変更となりますので注意してください。
変更前:放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
変更後:放射性同位元素等の規制に関する法律
第5条が施行される前に予防規程を作成する方は、変更前の名称で作成してくださいね。
第4条施行時はまだ名称変更されていません。改正法案第5条施行時に法律名が変更となりますので注意してください。
教育および訓練の時間数について
今回の法改正によって、初めて管理区域に立ち入る前、又は取り扱い業務を開始する前に行わなければならない教育及び訓練の時間数の合計が6時間から2時間になりました。
ここで誤解しないようにしたいことは、法律の改正で教育訓練の時間数の合計が2時間となったからといって、2時間で終了してはいけません。今あなたの施設の予防規程が6時間のままであるなら、予防規程を変更するまで6時間教育訓練しなければなりませんので注意してください。
講習会
日本アイソトープ協会より、原子力規制庁主催「放射線障害の防止に関する法令改正の説明会」を開催しています。2018年度の予定は、福岡(6月18日)、札幌(7月13日)、岡山(8月6日)、東京(9月7日)です。
5月14日から受付開始しています。
説明会の情報(日本アイソトープ協会)はこちら(外部リンク)>>
説明会の情報(原子力規制委員会)はこちら(外部リンク)>>
さらに、原子力安全技術センターでは、法改正について医療機関に対する定期講習会を開催していますので、こちらに参加されると予防規程の作成についての理解が深まります。
参考図書
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