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マナーって何?

普段タバコを吸うあなたは、今レストランで食事をしています。テーブルには灰皿が置いてあり、どうやらこのレストランは分煙していないようです。食後に一服と考えていると隣の席に子供を連れた家族がきました。あなたはタバコを吸いますか?

マナーとは、相手への思いやりを表した振る舞いのことです。その文化で生きるときの行儀のこと。または、相手に無駄な不快感を引き起こさない所作・振る舞いともいえます。

先ほどの例では、タバコを吸える環境にいながら、子供のためにタバコを控える。これも相手への思いやりを表した振る舞い、マナーといえます。

では、診療放射線技師としてチーム医療の中でのマナーとは、患者さんに対してのマナーとはどういったものでしょうか?

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チーム医療のマナー

診療放射線技師は、医療チームの一員です!

診療放射線技師は、医療チームの一員としての自覚をもつことが大切です。そして、チームとしての信頼関係を構築する上で、マナーは欠かせないものです。

チームとは何か?

チームとはある目的のために集められた集団のことであり、当然何を目的にしているか理解していないと成立しないものです。

チーム医療における目的は、患者さんの不安と不信感を取り除くこと、すなわち「安心感を提供する」という大きな目的があります。この目標を達成するためには、質の高いコミュニケーションをとることが重要になります。

そして、質の高いコミュニケーションを実現していく上で、マナーは欠かせないものです。異なる職種のメディカルスタッフがスムースに連携・協働するためには、相手を思いやる気持ちを表す振る舞いが重要になります。例えば、これは私の仕事じゃないからやらないとか、もう私の仕事は終わったからやらなくてよいとか、そのような考えは、チームの一員としての信頼を失います。

マナーはチームの一員としての信頼を高めます。異なる職種のメディカルスタッフが連携・協働するためには、マナーは欠かせないものです。チーム医療は、マナーを大切にしながら、それぞれの専門スキルを発揮することで、患者さんのQOLの維持・向上、患者さんの人生観を尊重した療養をサポートすることが可能になります。

患者さんに対するマナー

次に、患者さんに対するマナーについて考えます。
患者接遇・マナーは、患者さんとの信頼関係を築いて、より良い検査を提供するために欠かせないものです。つまり、患者さんに対するマナースキルは、我々診療放射線技師の撮影技術スキルと同じくらい重要なものです。

ここで、医療はサービス業であるということを認識してください。
サービスとは、相手が求めているものを提供して、受けて手が満足するものです。医療サービスの受け手は患者さんであり、そのサービスの良し悪しは、患者さんの満足度に左右されるのです。そして、医療サービスは掛け算です。ひとつでもゼロになれば、すべてがゼロになります!つまり、あなたの患者さんに対するマナーで、すべてがゼロになることがあることを知ってください。身だしなみはとても重要です。

お洒落したい気持ちはわかりますが、茶髪やキツイ香水はマナー違反です。なぜマナー違反か、もうわかりますよね。患者さんの文化的背景や習慣は、年齢によって異なります。海外ではよくても日本ではダメなことはいっぱいあります。若い人には当たり前でもご年配には不快に感じることはいっぱいあります。マナーは患者さんによって使い分ける必要があるのは当然のことです。

患者さんの欲求は何なのか?

一般的な消費者の欲求は、機能や品質欲求、経済的欲求、愛情欲求、尊厳欲求の4つがあります。この消費者の欲求を患者さんの欲求に置き換えて考えてみます。

機能・品質の欲求:最先端で高度かつ安全な医療を提供してほしい
経済的欲求:より安く治療を受けたい
愛情欲求:しっかりと時間をかけて診察してほしい
尊厳欲求:私のことをしっかりと聞いてほしい

これらの欲求は、何も難しいことではなく、ご自身が患者になった立場で考えれば、至極当たり前の自然な欲求です。しかし、この4つの欲求のどれかが欠けたとき、クレームが発生します。不満やクレームが発生したということは、相手はあなたに期待していたということです。期待していなければ、不満は生じません。あなたが期待通りの対応をしたときは、相手は満足します。相手の期待を察して、求めているものを提供しようとする気持ちがより良いマナーへ近づく第一歩です。その場の雰囲気を感じ取って、適切な言葉を使うように心がけましょう。

接遇・マナーを向上させるための5つポイント

また、よい患者接遇・マナーを行うための5つポイントがあります。

見る:忙しくても、相手をよく見て対応する
聴く:忙しくても、相手の話に耳を傾け、最後まで聴く
伝える:忙しくても、近づいて、相手に心を伝える
意識づける:仕事中は、常に見られている、聞かれているという意識をもつ
安心感を与える:患者さんに安心して来て頂く

これら5つのポイントを意識して仕事をすれば、マナースキルは向上していきます。

『知っている』と『できている』はまったく違う

最後に、今までお伝えした患者接遇・マナーについてのお話は、『知っている』だけでは何にもなりません。日常業務で実践してこそマナーは向上し、無意識でも適切な行動をとることができるようになるのです。

先輩や上司に

『知ってる?』

と聞かれたとき、

あなた『ええ、知っています。』

先輩・上司『じゃあ、なぜやらないの?』

といってくれる先輩や上司ならよいのですが、

『あ、そう…知ってるんだ…』で終わる人もいます。

これ、先輩や上司は、あなたができていないから聞いているのであって、なぜ聞かれたのか考えることは大切ですよ。

・参考文献
院内で育てるコミュニケーション力 経営情報レポート

 

放射線技師.com